ケンウッドMDミニコンポ RXD−M1MDの修理

 

 ケンウッドのMDミニコンポ RXD−M1MDです。なんか世代的にこんな一体型構造のものを「コンポ」と呼ぶのに抵抗があるんですが(笑)、イマドキはスピーカーが分離してたら「コンポ」と呼ぶみたいですね。どう見ても「モジュラーステレオ」(死語)なんじゃないかと思うんですが。私自身はMDがあまり好きではありません。どんなもんかと思ってソニーの初代録再MDウォークマンを買ってみてあまりの音の悪さに「こりゃ取り扱いの手軽さを差し引いてもちょっと使う気にはならんなあ」と思って以後あまり使わなかったという事があるもので。今は当時よりは大分改良されたようですし、HiMDという上位互換規格が出来たので当時よりはかなり良くなってはいるようですが、どうも圧縮音声にはあまりいいイメージがありません。パソコンで片手間に聴くんならMP3とかの圧縮音声でも気にはならないんですが、MDは仮にも「音響機器」ですからね。

 今回は友人がとりあえず聴ければなんでも良いのでミニコンポ無いかと持ちかけてきたので、探していて見つけたもの。カセットが付いてるってことはまだカセット→MDの移行期で、購買層の過去の資産が生かせるようカセット付きじゃないと売れにくかった時期の製品だと思います。ハードオフで取説・リモコン付き500円でした。症状は「CD・MD不可。カセットOK」というものでした。

(1)状況確認

電源ON

 電源は入りました。ラジオのAM/FMとも受信できました。それにしても表示項目の多い派手なFLディスプレイです。余談ですが、もう変わってから随分と経つのに未だに私の中では「トリオ」であって「ケンウッド」ってピンと来ません。あの頃はまだCIなんて言葉もなくて社名変更もそんなにはなかったので、ある日突然「今日からケンウッドで〜す」とか言われても・・・。まるである日突然「私、今日からアイドルじゃありません。ロックシンガーで〜す」って宣言した「ラ・ムー」立ち上げの時の菊池桃子じゃないか・・・って古いか(爆)
「桃子ちゃん」って誰でしょう?って聞いて「菊池桃子」って答えるか「河内桃子」って答えるかで世代が判りますよね(謎爆)

CDトレイ

 CDは3連奏チェンジャーです。トレイの出し入れは問題無いようです。

CD NO DISC

 しかし、CDを認識してくれません。

MD挿入

 MDを入れてみます。出し入れは問題なくスムースに動きます。

MD再生

 あれ?普通に認識して演奏を始めました。この後いくつかのディスクで試してみましたが、特に問題なく演奏しました。録音も問題ありません。TOCの書き込みもちゃんと出来ます。この分だと特に手を入れなくても市販の湿式クリーナー程度で問題無いと思います。

テープ挿入

テープを入れてみます。フタ部分等の破損もありません。当然ですけど、こういう動作試験にお気に入りのテープなんか絶対使わないように・・って言わなくても普通そうしますよね、はい。

テープ再生

 テープの再生は特に問題ないようです。清掃程度で十分なようです。

(2)作業開始


テープ清掃

 カセットテープ部は通常のクリーニング程度にしておきました。クリーニングに無水エタノールだけを使われる方もいる様ですが、やはり通常のクリーニングキットを使った方が良いと思います。特にピンチローラー等ゴム部分には。しかし、ジャンクのテープデッキって申し合わせたかの様に「これ、1回もクリーニングしてないんじゃないか?」ってくらい磁性体べっとりで汚れてるのが多いですよね。「音こもる」なんて注意書きのあるジャンクがクリーニングだけで解消したりします。今回は聴いた限りでは大きなアジマスずれとかも無い様なので、イレーサーで消磁して終了としました。

横位置

 外側のケースを外します。なんかもうやる気あるんかなぁ?って感じでスカスカです。トランスだけは思ったよりはまぁまぁ大きいのが付いていますが。バブル時代のラジカセの方が内部の作りはまだマトモなんじゃないかと思います。中は結構ホコリだらけだったので、丁寧に掃除しました。

 

CD押さえ

 とりあえずCDが読めない時はまずレンズ清掃してみるのが基本です。この機種は3連奏チェンジャーですが、ビス2本外してこの白いCDを固定するパーツを取ればレンズが見えるという楽な構造でした。

レンズ

 上記パーツを外すとレンズが見えます。ここから手の届く部分だけですけど、ついでに古いグリスを掃除して新しくグリスアップしておきました。手抜き作業ですが(^^;

レンズ清掃

  綿棒にイソプロピルアルコールを浸して無理な力を掛けないようレンズを拭き、乾いた綿棒で乾拭きします。プラスチックレンズの場合は力を入れるとキズが入ってしまうこともあります。タバコを吸う環境に置かれていた機体はなかなか汚れが取れませんが、数回根気よく繰り返します。汚れのひどい場合は更に分解してレンズ裏側を拭くのも効果的ですが、慣れてないとコイルの線を切ったりしますのでとりあえず表をやってみて結果を見た方が良いと思います。このレンズ拭きに使う薬剤はエタノールがいいとか人によって諸説あるんですが、エタノールはレンズ表面にクラックが入ってしまうという報告もあります。自分でやってみた結果はイソプロピルアルコールが一番良いみたいです。少なくとも私がやった中ではトラブルは起きていません。イソプロピルアルコールは薬局で消毒用の50%溶液がエタノールよりはるかに安く手に入ります。カメラのレンズやプラスチックフィルターに使うクリーナーもイソプロピルアルコール溶液ですしね。

ディスク装着

 この状態で動作確認します。CDをきちんと認識するようになりました。

基板

 余談ですが、この1枚基板でほとんどの音声関係は処理しているみたいです。なんか何が使われているか追いかける気もしなかったので、このままカバーを戻して修理完了としました。

 

 今回は単純なクリーニングだけで動作するようになりました。一緒に本来のセット品であるスピーカーが2本1,000円だったのでついでに買ってきて繋いで聴いてみたのですが・・・。別段私の耳は特別良い訳ではありませんが感動も何もない・・・こんなもんだろうなぁという感想です。見た目はすごく良いんですけどね。

(2004・10月記)

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