ミノルタオートフォーカス一眼レフα-5700iの修理

 α5700i

 ミノルタオートフォーカス(AF)一眼レフの入門〜中級クラスの機種α-5700iです。ストロボ内蔵でそこそこ軽く取り回しも楽です。普通に写真を撮るなら充分な機種だと思います。ファインダーもミノルタらしくそこそこ明るいし。当時のミノルタの売りの機能であるイメージカードも使えますので、そこそこ楽しめます。あまりAFになってからのミノルタは詳しくないのでいつ頃の製品かよく知らないのですが、型番からしてα-9700とかと同じ頃でしょうか?だとすると’90年頃かな?。CMソングが野田幹子さんの「8月の砂時計」だったのだけは覚えていますが(爆)。某リサイクルショップのジャンクコーナーでシグマの35〜75oズームレンズ付きで1,000円でした。症状は「AF動作しません」でした。

(1)動作確認

 電池を入れてみると電源は入りました。AFが動作しないのでマニュアルでピント合わせしてシャッターを切ってみるとシャッターは軽快に切れます。ミラーもちゃんと動作します。シャッター幕もちゃんと走ってます。露出計も生きています。表示部もきちんと表示しますし、ストロボも発光します。レンズの絞り羽根も動作しています。AFに切り替えてみますと、フォーカスモーターは音がして回っているのですが、レンズのピントリングが回りません。AF補助光は光ります。つまりAF動作以外は全て正常に動作しているという事です。

(2)原因

マウント撤去

AFモーターが回っているのにレンズのピントリングが回らない、しかもレンズのピントリングは手で回すと軽く回ると言うことはモーターの回転をレンズに伝えるまでの部分で何か不具合があると言うことになります。まずはマウント部分を外して中を見てみることにします。精度の良い精密ドライバーでゆっくりネジを外さないと後々マウント部分の精度に影響してしまいますので慎重にやります。止める時もネジの斜め止めなどしないように・・・。

折れたピン

原因は写真矢印の樹脂で出来たピンでした。本来この部品の先端部分は右横にあるボディー・レンズ間にフォーカス動作を伝える継ぎ手の下に入ってレンズが装着されたらこの継ぎ手を押し上げてレンズの受け側に密着させ、動作を伝えるのですが、この先端が折れてしまっているので、継ぎ手が持ち上がらずレンズに駆動がかからない、結果オートフォーカスが動かない、と言うことでした。


(3)作業開始

ドナー

この樹脂パーツをどう手に入れようかと思っておりましたら、翌々日ハードオフで「電源入りません」で500円の同型機を発見。しかもオマケにイメージカード1枚が入ってました。ラッキーです。これはもうドナーになっていただくしかありません。ニコイチ(2台の不動品の生きてるところを組み合わせて1台の動作品を作る修理方法)は邪道だという人もいるけど、私個人的には2台が不動品で捨てられるよりは1台でも蘇ればそれで良いのではと思っています。

折れたピン

もう一度、こちらが折れたピンです。

正常なピン

こちらが正常なピン。継ぎ手の下に入り込んでいるのがわかるでしょうか?。

双方のピンの比較です。両方同じ方向に置けばいいのにいいかげんですみません(爆)。先端が折れています。

マウント装着

ピンを取り替えマウントを元に戻します。

 今回はニコイチという事で1台に犠牲になってもらいましたが、修理後はオートフォーカスも軽快に作動しています。フィルム2本ほどテスト撮影してみましたが、オートフォーカス動作は軽快で精度も出ており、なかなか気軽に使うには良いカメラだと思います。私の所有する初めてのミノルタ機なので、いろいろ遊んでみようと思います。

 (2004.10月記)

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